「中野さんがさっちゃんが好きなのこと、俺知ってた」
隆は、初めて私のバイト先に来た時に感じたことを話してくれた。
そして少しでも疑ったことを謝ってくれた。
私も中野さんが言っていたことを聞いた。
「お店のお客さんと食事に行くってほんま?」
「はぁ?嘘やし。誘われたけど、断ったよ。俺には、さっちゃんがいるからね!」
私の心配を打ち消すように、隆は笑顔で否定してくれたことが嬉しかった。
「ありがとう」
「俺、何を言われても負けないからね」
私の目をしっかり見つめて隆は言ってくれた。
「うん」
中野さんのお陰で私たちの絆が強まったような気がした。
次の日、中野さんに
「中野さん、隆に余計なことを言ってくれてありがとうございました。お陰でますます仲良くなりました」
と厭味を込めてお礼を言っておいた。
そして、中野さんは一瞬驚いた顔をしていたが、すぐに悔しそうに舌打ちをしていた。

