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今日は、隆の様子がおかしい。
食事を作っていても、近づいて来ない。
私は、中野さんが言っていたことも気になっていたが、聞けずにいた。
疲れてるのかな??
食事中も黙ったままやし。
私、何か悪いことしたかな?
「ねぇ、隆?どうしたん?」
私が聞いても、何かをごまかすように首を横に振った。
「えっ?あぁ・・・なんでもないよ」
そういう隆の顔は明らかに曇っている。
「何かあるなら言ってね?」
私が聞くと、隆はゆっくりと話し始めた。
「さっちゃん、さっちゃんのバイト先にいる男の人さ・・・」
私は一瞬ドキッとした。
「あぁ、中野さん?」
私は動揺しているのを隠すように聞いたが、内心はただ事ではなかった。
「あの人がうちの店に来て・・・」
隆は、俯いて言いにくそうに話していたが、私はそんなことを気に留める余裕なんてなくて・・・。
なんで中野さんが隆のバイト先に行くの?何を考えてるんよ!
「はぁ?なんで中野さんが?」
私は、怒り狂う気持ちを抑えて、聞こうとした。
「まぁ、はじめは偶然やったと思うんやけど・・・」
偶然・・・。
「そ、そう」
「沙知って呼んでた・・・」
「はぁ?何言ってるのあの男!意味わからんし!あと、何か言われた?」
「俺はただの友達だとか・・・中野さんと付き合うとか・・・」
プチン!
私の中で何かが切れる音がした。
「あの男!許さん!」
私が怒り狂う様子を見て、隆は少し安心したみたいだった。
「よかった。みんな嘘やったんやね」
「当たり前やん!」
「よかった〜」
そう言うと、隆は私に抱き着いてきた。

