スタートライン~私と先生と彼~【完結】



「ごめんね。この前は帰ってきたのが遅くて・・・」

「気にしないで」

申し訳なさそうな顔をして謝られると許してしまう。


「さっちゃん、これ」


隆の手には、白くて小さな箱。


「何?」

私は首を傾げて尋ねると、隆は私の手を取って、箱を渡してくれた。

「クリスマスプレゼント」

「えっ?」

クリスマスプレゼントって・・・わざわざ用意してくれてたの?

「ごめんね。遅くなって」


なんで謝るの?私は、用意してくれてた・・・いや、隆の中にまだ私はいるんだとわかっただけで、うれしいよ・・・。


「ありがとう。でも私、何も用意してないし」

「ケーキをくれたやん」


笑いながら隆は言ってくれたけど、ものすごく複雑な気分。

「でも・・・」


あれは中野さんから貰ったもの。

しかも、私のために作ってもらったもの。


「さっちゃんが俺に持ってきてくれただけで嬉しいから」


そんなことをさらりと言われると、何も言えなくなるやん・・・。


「・・・・・・」

「なーんてね」


私が何も言わないのを見て、隆は笑い飛ばした。

なんで?気持ちを言ってくれないの??


まだ私の中に先生がいるから?

でも確実に隆を想う気持ちが増えてるよ?


まだあかんの?


あなたには私がどう映っているの?


あと、どのくらい好きになればいいの?


家に帰り、隆からのプレゼントを開けると、水色の控えめな飾りのついたピアスが入っていた。



そのピアスを見て、涙を流した。