もうすぐ、バレンタインデー。
その日、3年生は久々の登校日。
・・・先生もチョコ貰うんやろうな。
私は・・・渡そうかな。副担任やし・・・・。
なんて何らかの理由をつけて渡したかった。
本当は義理なんかじゃない本命チョコやのに・・・。
そう思うと、胸が締め付けられる思いに陥ってしまう。
手作りはさすがに時間がないから、塾へ行く前に買いに行った。
たくさんありすぎて迷う・・・。
私は先生のイメージに合う、水色の包装のチョコを買って帰った。
他には父親と弟の聡と私のチョコを選んで帰った。
お父さんも聡も義理チョコを山ほど貰ってくるのは予想出来たので、いまさら私からのチョコなんていらないんだろうと思いながらも、毎年買っている。バレンタインデーの後は、お父さんと聡が食べ切れなかったチョコをお母さんと食べるのが恒例となっている。
朝から、父親と弟にチョコを渡した。
「お父さん、チョコどーぞ」
「沙知、ありがとう」
父は48歳にしては若い。
お腹だって出ていないし、高校教師で若い子を相手してるから、考え方も若い。
ちなみに担当は国語。本をたくさん読んでいるからか、父はあらゆる事をよく知っている。
私も父の影響から本をたくさん読んだ。
国語も好きだったが、数学や理科の方が興味があった。
はっきりとした答えが出るから。
弟は私とは別の高校の二年生。
サッカーが好きで部活の毎日。
彼女も欲しいらしいけど、今はサッカー命のサッカーバカ。
姉が言うのも変やけど、背は高いし、顔もいいし、性格もいい。
なかなかの男なんよな。
「ありがとう。姉ちゃん!」
笑顔がかわいい。彼女がいないのが不思議なくらい。
そんなことを考えながら、私は久々の学校へ向かった。

