最近では、暑さが増すと共に、俺の中で原田の存在が日に日に増大している。

授業中、真剣に俺の話を聞いてくれている姿を見るだけで、ドキドキし授業どころじゃなくなるんじゃないかと思うことがある。


『先生も素敵です』


原田の言葉が俺の毎日の生活の糧となっている。


そして、提出物を集めて持って来てくれる時の少しの会話が俺に活力を与える。


学期末テストが終わりテスト休みに入ると、原田に会えなくなる・・・。


学期末テストの結果が悪かった生徒は補習があるが、原田には関係ない話だ。

夏休みなんてなくなったらいいのに。


そんな事を言ったら、生徒達にボコボコにされるだろうけど、本心だ。
 
俺はテスト問題を作りながら、ため息をついていた。

一体、俺は何を考えているんだろうか・・・最近、自分自身の気持ちがわからない。


静まり返った職員室には俺が叩くキーボードの音だけが静かに響いていた。