スタートライン~私と先生と彼~【完結】

******

文化祭も終わってすぐは、全てを出し切って、抜け殻のようになっていたが、ようやく普通の毎日が帰って来た。

しかし、今日の先生は元気がなかった。

授業でも、いつもは間違えないようなミスをしていた。

どうしたんやろう・・・。

何かあったのかな?

他の先生に注意されたのかな?


放課後、私は屋上へと足が向いていた。

先生がいるような気がして・・・。

私はゆっくりと屋上のドアを開けた。

目の前には先生の後ろ姿があった。

すっかり涼しくなった風に吹かれてる髪と後ろ姿は、なんだか寂しげだった。


「せんせ〜!」


私は、思いきり先生の背中を叩いた。

振り返る先生の驚いた顔が面白かった。


「せんせ〜どうしたん??落ち込んでるの?あっ、彼女にフラれたんだ!って先生、私も気分転換に来たのに、先生いるから戻ろうっと」


私は口からどんどん出てくる言葉に驚いた。

こんなこと言うつもりじゃ・・・なかったのに・・・。


「原田、いてもいいで」


寂しそうな表情の先生は、小さな声でそう言ったが私から出て来たのは、それを拒否する言葉だった。


「いやです」

先生の言葉はうれしい・・・。

それやのに、なんでこんなに冷たく言ってしまうんやろう・・・。


「・・・・・・」

ほら、先生黙ったし・・・。

「だって、先生と変な噂流されたら嫌やし」


自然と出て来た精一杯の言葉がこれだった。

表情もうまく作れたみたいで、先生は少し笑ってる。

「そりゃ、そうだよな。好きな奴にも誤解されても困るしな・・・?」

なんでそんなこと言うの?

「そうやね・・・・」


もう表情なんて作れない・・・。

私、どんな顔してる?

「・・・・・」


先生、何か言ってよ。

そんな寂しそうな顔しないでよ。

「私・・・そんな寂しい顔をしている先生のこと見てられへんし・・・」


言ってしまった。

先生が悪いんやで・・・あんな顔をしてるから。

先生の背中を叩いた手が痛い・・・。


それ以上に胸が痛い・・・。