「圭、こっち!」
奈緒が彼氏の梶原くんを見つけて手を振っていた。
すっかり奈緒と梶原くんはラブラブになっていて、奈緒の顔といったら、幸せそうで羨ましいくらいだった。
そして梶原くんの隣には隆がいた。
笑顔で近づいてきた隆に私は何て話しかけたらいいのか迷っていた。
「さっちゃん、かわいいね〜」
爽やかに笑って言う言葉に、私は恥ずかしくて、目を合わせることができなかった。
「ありがとう。あっ、おひとついかがですか?」
「あっ、貰おうかな?」
「ありがとうございます」
私は、奈緒が梶原くんの分を用意している隣で、隆の分を用意していた。
隆は、教室をゆっくりと見渡していた。
そして、おだんごを渡した時、隆が鋭い目付きで聞いてきた。
私は見たことのない隆の鋭い表情に、息を飲んだ。
「あそこにいる男誰?」
何?誰のとこ?
鋭い視線の先には、・・・先生。
「うちのクラスの副担任やで」
私は、ごく普通に返したつもりだったが、隆の様子はいつもと異なっているように感じた。
「ふうん。若いね・・・」
頷きながら、そしてなぜか不満そうな表情で言う彼の表情は、まだ何かを言いたげだった。
「今年、大学を卒業したばかりだから・・・」
私はなぜか、先生のことを話していた。
黙っていると、何かを悟られるような気がしたから。

