スタートライン~私と先生と彼~【完結】



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体育祭当日は、雲一つない青空が広がっていた。

先生は、黒いジャージを来ていた。

いつもはスーツだから、違和感があるけど、やっぱりかっこいい。

周りの女の子達も先生のジャージ姿に興奮気味だ。


先生、お願いだから、そんなに爽やかな笑顔を見せないで。


予定通りプログラムが進み、いよいよ応援合戦が近づいて来た。


自分がデザインしたとはいえ、チアの衣装は照れる・・・。


でも見て欲しい。

誰よりも先生に・・・。

私は奈緒たちを連れて、先生の元へ走って行った。

その時、5組の檜山さんが話し出した。


「せんせ〜、どう??」

「馬子にも衣装ってとこかな?」

「せんせい、ひど〜い!」

「ははっ、冗談、冗談。よく似合ってるよ」


先生はそう言うと、私の方を一瞬見てくれた。


「先生、この衣装、自分たちで作ったんやで」


檜山さんが先生に詰め寄って、アピールしていたが、先生の視線は彼女の方へは向いていなかった。

自惚れだろうが、私を見てくれているような気がした。


「まじで?めちゃくちゃうまく作れてるやん」


その言葉を聞くとすぐに、奈緒が「でしょ!これ、沙知がデザインしたんだよ!」と自慢げに言ってくれた。

しかし、その瞬間、みんなが私の方を向いたので恥ずかしくなってきて、「言わなくていいのに」と俯いた。


「へ〜すごいやん」

先生は私の頭をポンと叩いた。

みんなの前で触れられた頭からは湯気が出ているのではないかと思うくらい、熱を持っていた。


顔が真っ赤になるのがわかる。

心臓がドキドキするのがわかる。

そして、動けない。

私が動けないでいると、奈緒に腕を引っ張られていた。


先生、反則やわ・・・。

私、これから本番やで・・・。

先生の顔が見れないやん・・・。

私は意識が半分ないようなくらいの状態で、ダンスを始めていた。


不思議なもので、音楽が流れると、今まで動かなかった体が、自然と動いた。

そして、笑顔になっていた。


とりあえず応援合戦は無事に終わり、最後のリレーが待っていた。

私は中学まで陸上部だったから、走るのには自信がある。4位でバトンを渡された私は、周りの声援に応えようと必死で走った。

その中でも先生は、より一層大きな声で応援してくれた。

「原田頑張れ!」


大好きな人にそう言われて頑張らないわけにはいかない。

先生の言葉が私の胸に響き、私のスピードを上げていくことができた。

私は3人抜きをし、1位で同じクラスの眞中くんにバトンを渡した。



アンカーの眞中くんは、さらに2位との差を広げて、1位でゴールすると私たちはリレーメンバー全員で手を取り合って喜んだ。



そして、3年8組が率いる青チームが逆転優勝をした。