「何あの数学!めっちゃ難しかったやん!」
「斎藤ちゃん、ひどいなぁ」
実力テストが終わり、みんな愚痴っていた。
私的には、難しかったけど、実力テストって感じがしてよかった。
でも問題数が多すぎて、全てを解けなかったのが残念だった。
放課後、私は教室の鍵を返しに職員室へ行った。
「今帰りか?気をつけて帰れよ」
不意に後ろから斎藤先生の声がしたことに身を強張らせてしまった。
「先生、今回のテスト難しすぎですよ。みんな結構、へこんでましたよ」
私は振り返り、先生の目を見ながらみんなの代弁をしていた。
「そっかぁ?お前に満点取られるのが嫌だったから、難しくしたんだよ」
悪戯な笑顔を零す先生は、まるで子供のようで、かわいらしいも思ってしまった。
「うわっ、先生意地悪!」
冗談とわかりながら、怒った振りをしてみた。
そして次の瞬間「・・・冗談、冗談」という言葉と共に、頭を撫でられたことに、心臓が止まるのではないかと思うくらいの衝撃を受けた。
やばい!やばい!やばい!
胸がドキドキしすぎて壊れそう。
私はそれから、何を言って、誰と会って、どうやって帰ったのかわからないくらい動揺していた。
その動揺は、先生に会うたびに再燃されて、消えようとしなかった。

