私は頭の中でいろいろと考えながらも、何も聞けないでいた。
それは、隣にいる隆も今日は言葉数が少ないように感じたからだった。
柔らかい夕日に赤く染まる空の下で、私たちは会話も少なく歩いていると、隆は何かを決断したように、口を開いた。
鞄と一緒に持っていた、男の子が持つには少々可愛い水色の小さな紙袋を私の目の前に出した。
「あのさ、これ」
「ん?何?」
目の前に出すものだから、中身も聞かずに手にとってしまった。私は何だかわからなくて、首を傾げて聞き返した。
「さっちゃん、今日誕生日やろ?」
誕生日という単語に「あっ」とだけ言って固まってしまった。
自分の18歳の誕生日をすっかり忘れてしまっていたのに気づいた。
いや、朝から友達からプレゼントをもらったりしていたから、完全に忘れていたわけではないが、先生に質問をしにいくことで頭がいっぱいで、隆に言われるまで忘れてしまっていた。
「う、うん」
でもなんで知ってるの?
「手越さんが教えてくれて・・・」
隆はニッコリ笑って、私の思っていたことに答えをくれた。
やっぱりか・・・。

