「先生･･･私自信がないんです」
俯いて声を出す原田は、いつもとは違う表情で、明らかに何かに苦しんでいるようだった。
どうやら、塾にも行き勉強して、成績も伸びているが、本番で実力を出せるかが怖いみたいだ。
俺にもそんな時期があった。
『斎藤は京府大を目指してるんだな。今の調子だと、大丈夫だから気を抜かずに頑張れ』
当時の担任の川田先生に、夏休み前の面談で言われていた。
それ以外にも周りから、妙なプレッシャーをかけられ、夏休み明けに成績が下がるという大失態をおかしてしまった。
いろんな先生から
『気を抜きすぎじゃないか？』
『頑張らないと合格できないぞ』
なんてさらにプレッシャーをかけられ、正直押し潰されそうだった。
そりゃそうだよな。
創立以来、初の京府大学現役合格がかかってるんだからな。
