ぽすっとあたしの握った拳が柔らかいものに当たった。
恐る恐る目を開けると笑顔の茜ちゃんが立っていた。
…なんで笑ってんだろ?
殴られたのに。
あたしは不思議そうに首をかしげると茜ちゃんが頭をぽんぽんしてきた。
「何今のパンチ(笑)それじゃ全然痛くないよ?優菜ちゃんのは猫パンチだね。」
なっ!猫パンチって…
そんな弱かったかな…?
恥ずかしくてあたしは顔を隠そうと下を向いた。
「優菜ちゃんってほんと仕草とかも猫みたいだよね〜!可愛いね!」
なんだろ…茜ちゃんに可愛いって言われると男の子に言われるより全然きゅんってくるのはなんでだろ?
ってか猫みたいって…
「わんこと同じこと言ってる…」
あたしの心の声が漏れていて茜ちゃんが不思議そうにあたしを見ていた。
あっ!やば!恥ずかしい!
「え?わんこって誰?え、犬?」
茜ちゃんが訝しげにあたしを見ていた。
やばいきっと犬と会話してる子みたいに思われてる!!
「あ、あの違うよ!!」