「優菜ちゃん…ありがと。」
あの後茜ちゃんにお礼を言われた。
そんなお礼言われるようなことしてないあたしは驚いてしまいもごもごしながら言った。
「そ、そんなお礼言われるようなこと…ただあたしは茜ちゃんが傷つけられるの…見ていたくなかったの…友達だから…」
友達だから、と言った自分が恥ずかしくなって茜ちゃんから目を逸らしてしまった。
ちょっと図々しいこと言ったかな…?
そんなんで悩んでいると茜ちゃんがぎゅっと抱きしめてきた。
「…茜ちゃん…?」
茜ちゃんは少し涙目であたしを見た。
「あたし優菜ちゃんに謝らなきゃいけないことある。」
茜ちゃんが謝る?あたしに?
茜ちゃんはまるで壊れちゃうんじゃないかってくらい切ない顔で笑った。
その悲しいくらい真っ直ぐな笑顔を見てあたしの心はなんだかぎゅって締め付けられて苦しくなってしまった。
「あたしね…優菜ちゃんに嫉妬したんだ。…なんで…なんで佐藤の好きな人が優菜ちゃんなの?って…」

