彼は一瞬固まった後茜ちゃんの腕を肘で軽くつついた。



この状況でまだ仲を取り持ってくれって茜ちゃんに言ってるのかな?この人…




バカすぎて怒り通り越して飽きれた。





「あ…彼は3組の佐藤くん…」




でも茜ちゃんは違った。



彼の言われた通り私に彼のことを紹介しようとしていた。



その姿が健気で切なくて心が苦しかった。



それと同時にこいつがどうしても許せなかった。




にやにやあたしの前で笑ってる佐藤!!




「あ〜佐藤俊です。もし黒川さんよければお付きあ…「あの!!」







これ以上茜ちゃんを傷つけたくなかった。



「あなたバカなんですか?」




茜ちゃんをバカにしたことが許せなかった。




あたしの言動に佐藤だけでなく茜ちゃんまで驚いてぽかーんと口を開けて見ていた。





「盗み聞きしたようで失礼ですが一部始終聞いてしまっていたので言いますが。


あなた告白してきた人に好きな人の仲を取り持ってくれって頼むなんて頭おかしいんじゃないですか?」





あたしが捲し立てるように奴を責めると段々顔が青くなっていった。