「新!」
家に着き自転車を片付けようとしていたら誰かに声をかけられた。
電柱の横に誰かもたれかかっていた。
…誰?
よく目を凝らして見ると、
『…沙奈?』
沙奈が立っていた。
何でいるんだ?
あれから沙奈のことは避けていた。
だってめんどいし、俺にはもう沙奈のことを幸せにしたいって気持ちもない。
沙奈が俺に近づいてきた。
『何か用か?』
近づいてきた沙奈の目は少し濡れていた。
…次は泣き落としかよ。
そんな風に冷静に考えてる俺は何て冷たいんだろう…って自分のことを客観視していた。
『最初に言っておくけど何言ってももう無理だから。もう沙奈のこと好きって気持ちはない。だからちゃんと別れてほしい。』