ゴロゴロ…ガコン!
ボーリング球とピンがぶつかる低く鈍い音が辺りに響く。
「新〜またストライクかよ〜」
もちろん当然でしょ。
『賭けボーリングなんだから当たり前。それに…』
それに…まさか兄貴までいるとは思わなかった。
地元めんつって聞いてた時に気付けばよかった。
中西 翔(なかにし かける)
正真正銘、俺の兄貴。
まぁたった数十分だけの違いだけどね。
俺と翔は双子だ。
それに本当に瓜二つなくらい。
親までたまに間違えるくらいなんだから相当なんだろう。
昔は顔間違えられるのが自分を見てくれてない。
ただの外見しか見てないと感じ嫌だった時期もあった。
そして翔が俺の誰よりも近いライバルになった。

