近づくとそれはちゃんとした人影に見えて男の人がうつむいているように見えた。
人見知り激しいのに他人に話しかけるなんて…できない。
どうしよーかとおずおず迷っているといきなり男の人がバッと顔を上げた。
「?!?!」
あまりにも突然だったので声も出なかった。
男の人はあたしと年があまり変わらなく見えてグレーでパーマがゆるくかかった髪にビー玉みたいに丸い目をしていた。
なんか犬みたい…。
あたしのことを上目使いで見てきてその仕草はエサ待ってる柴犬そっくりだった。
か、かわいい…。
「可愛いねこちゃん♪黒猫だぁ〜おいでクロ〜」
ね、ねこちゃん?
え?あたしのこと?
彼はそう言うとにっこりしながらあたしに飛びついてきた。
「ふぇ?!?!」
体重をかけてきたのでバランスを崩して倒れた。
いったーい…
それでも嬉しそうにあたしの頭を撫でている。
なんなのこの人!!
反抗のつもりで睨んでみたけど全然効果なかった。
呆れてそのまま放置したら今度は泣き始めた。
「…なんで俺が悪いんだよ〜…さなぁ…俺は浮気なんてしてない。」
は?ちょ、よくわからないけど。
「おにいさん…浮気したの?」
そうつぶやいたら彼のほっぺがむぅっと膨れた。
「ねこちゃんもそう思うの?!…どーせやりちん野郎さ!俺は!ねこちゃんもやりちんって呼べよー!」
そう怒りながら叫びはじめた。
ちょ、勘弁してよ!
「 そ、そんなことないから!し、静かにしよーね!!あ、じゃぁあたし帰ります。なんもなくてよかったです。」
そそくさと立ち上がって帰ろうとするとぐいって手を引っ張られた。
?!?!

