でも何も覚えてないけどこんなことしてるなら沙奈のこと文句なんて言えなくなってしまう。




一応別れていたから浮気ではないが女にだらしないと言われても仕方がない。





俺の…誰か俺の身の潔白を証明してくれる奴…(涙)





「未成年のあたしを拉致しラブホテルまで連れてゆくなんて…犯罪だよ?」




ら、拉致って…



この子の言葉が胸にグサグサ刺さる。




「いや…でも君も拒否る権利あっただろ?」




頑張って強気に出る俺。



こ、ここで負ける訳にいかねぇ。




そう言うとクスっと笑って真っ直ぐで汚れのない瞳で俺を見つめてきた。




あぁ…こんな真っ直ぐ見つめられることなんてないから緊張して固まってしまう。




「もしそうだとしても未成年を連れ込んだら行けないよ…ね?中西新くん?」




俺は驚いて目を見開いた。



⁈なんで俺の名前?




「なんで知ってるかって?…これだよ?」




彼女の手の中にはカードが…いや?



『俺の学生証?!』




何これ…個人情報だだ漏れやん。






俺の思っていることを見透かすように女の子は言った。




「言っとくけどあたしが無理矢理盗ったわけじゃないからね。

"ちょっとあんた何なのよ"

って言ったらカバン漁ってその学生証取り出して

"俺はこーゆうものです"

なーんて言っちゃって…くくっ(笑)」






完全に笑ってる。