俺らは『人格』とゆうイキモノで、人間ではないらしい。
よくよく自分を見てみると、どっかの高校の制服。ペイズブルーの髪。
基本と呼ばれる人の名前は翔子といい、24歳の女の人。
この中で一番権力があるのは綺羅という女の人で、二番目が一矢という男の人。
二人共、俺とそう遠くない年齢だった。
一番長い時間出ているのは、悠という男のコ。生まれて一番に見た、あのくしゃくしゃ頭の小さいコ。
悠の様に一番長く表に出てる人格を『主人格』というらしい。
俺は大抵ホールの隅にいて、なんとなく馴染めないでいた。自分の存在までよく理解できていない。

「何シケた面してんだよ。
 見てる方が気分悪ぃ」

吐き捨てる様に言ったのは、同時に生まれたあの癖っ毛。
橘満というらしい。
同じ苗字だが、兄弟ではない。
同時に正反対の理由から生まれたらしい。
つまり、俺は悠の悲しみから。
満は悠の怒りから。
何の怒りと悲しみかと言うと、少し話しが遡る。