ああ、もう。

どうしてこうも、人生上手くいかないの。



「またよろしくな、有希」


ニヤッと笑う隣の席の男に、あたしはふんっと思いっきり顔を背けた。


何度!

下の名前で呼ぶなって!

言えば!

分かるの!!



「やー、やっぱり運命じゃん?続けて隣の席なんてさぁ」


「運命とか信じてんの?男のくせに女々しいヤツ」


顔を背けたまま、フッと鼻で笑って言ってやる。


何が運命よ。

続けて隣の席になることなんて珍しくもなんともないでしょ。


こんなの、ただの偶然!


更に捲し立てるようにそう言って、あたしはドンと机に肘をつき、掌に顎を乗せて。

視線はあいつとは逆の窓の向こう。