駆け引きナシのラブゲーム


「パパとママは、大丈夫です。咲夜の事、怒ったりしてません。むしろ、心配しているくらいですから…」


これは、ホントの話だ。
実は今日の朝ママに
「最近咲夜君、来ないわね?何かあったの?」
と言われ、言わざるをえない状態になってしまったのだ。

パパもママも絶対に咲夜の事を悪く思うだろう……
その覚悟で話したが、反応は予想外のものだった。

「心配ね……大丈夫かしら?ねぇ、パパ」

「ああ。猪本君、風邪でもひいたか…?どれ、お見舞いにでも行こうか…」


この二人の会話を聞いた時、嬉しい気持ちでいっぱいになった。

「…なら、いいんですけど」

「それより!何も食べてないんじゃないですか?」
私は咲夜のお母さんの体を見て言う。

「……食欲、なくてね…」

「私、何か作りますから!!」
そう言って私はキッチンに向かった。