「ねぇねぇ聞いたぁー?」
「あれでしょッ?!転校生〜!!!」
「超イケメンらしいよ〜♪」


朝、廊下で騒ぐ女の子達の声を耳にしながら、いつもどおり咲夜の隣を歩く。

「転校生かぁ……。どんな子だろぅ?」
私は咲夜に話し掛けた。

すると咲夜は自販機で買った缶コーヒーを飲みながら
「転校生って、どんな奴?」
と女の子達に聞いた。

「あ、咲夜君おはよう!!えっとね、同じ学年の男の子で……名前は確か…………『常磐廉』?」


咲夜は飲んでいたコーヒーを一気に吹き出した。

「…は??!!今なんて??」

「ぇ…だから、トキワ レン……」

「あれ?『廉』って咲夜の……ふがッ」
咲夜は私の口を慌て塞ぐ。

「さ、さんきゅーなッ」
咲夜はそう言って私の手をひき教室に入った。