その後も、桃香が俺の事を好きらしいという噂はちょくちょく耳に入ってきたが、もう気にしなかった。


俺はもう好きじゃなかったから。



いつの間にか、その噂もなくなっていた。




「……桃香か…」

俺は、懐かしいなと思いながらつぶやき、カフェのドアを押した。