駆け引きナシのラブゲーム

「…美沙姫、大丈夫か?」
廉が心配そうに私を見る。

「うん、ヘーキ…」
私は零れそうな涙をこらえる。

「あッ!!!」
咲夜が目の前を通った。

「咲…夜ッ!!」
私は叫んだが、雑音に掻き消された。

ちょうど、その時だった。

見てはいけないようなモノを見てしまったような……



―咲夜は、誰にでもキスするんだね……

私は、自惚れてたのかな?

そうだよ、大体私は咲夜の彼女じゃない…


そう思った途端、勝手に足が動いた。