全ての始まり。

道には花が咲き誇り、生き物が冬眠から目覚める。



――春


「それがいいわ、美沙姫ちゃん」

ママは私の肩を持つ。


「こんなにしっかりした人が美沙姫の護衛になるなんて、ありがたいお話だ」

パパは安堵の笑みを見せる。



目の前にいる、猪本咲夜。

「とんでもないです。美沙姫さんみたいな可愛らしい方の護衛ができるなんて…」


こいつが今、私の“護衛”になろうとしている…。



「しかも、美沙姫と同い年なら尚更安心だな。学校で何かあったら大変だもんな」


そう…猪本咲夜は私と同い年。




パパ、ママ…

こんなガキ(?)に私を軽々任せちゃっていいのですか…??