やっと目的地についた。
私は大きく深呼吸する。
「ねぇ 秀斗。
そこに座ってくれる?」
私はそばにあった木の根元を指さした。
秀斗は何も言わずに座る。
私も横にこしかけた。
すると秀斗の顔がうんと近くなった。
目線が同じくらいになって、急にドキドキしてくる。
秀斗の愛しそうな目が私をとらえる。
少しずつ秀斗が前かがみになる。
唇が重なり合う。
私は目をつむり、キスを受け入れた。
唇が離れると同時に秀斗に抱きしめられる。
強く 強く
あたたかくて、心地よくて、秀斗の背中に腕をまわした。
「花音、好きだ。」
耳元でささやかれる甘い甘い言葉。
私は胸がキュンとなった。
たった一言だったけど、深く深く心に響いていく。
私も…
はっ!!
ダメだ! ダメだ!
私はあわてて秀斗から体をはなそうとする。
なのに秀斗がはなしてくれない。
「ちょ、秀斗! はなして…」
「ヤダ」
秀斗は私の肩に顔をうずめるばかりで全く聞いてくれない。
そんな行為も愛しいのだけれど…
仕方ない。 最終手段だ!
「チ、チョコ! チョコ渡すから!!」
すると秀斗はパッと体をはなした。
「俺に?」
秀斗は驚いているようだった。
でも声音はなんだかうれしそうで、私もうれしくなった。
「そ。 秀斗に。」
私はかばんから昨日、苦労して作ったチョコを出した。
「はい、どーぞ」
私は若干てれながら渡した。
「サンキュ。 ヤベェ、すっげぇ嬉しい」
秀斗は顔を真っ赤にして、微笑みながら言った。
そんな秀斗の笑みは本当にうれしそうで、
私の心臓をドキドキさせた。
「それとね、もう1つあるの。」
そう。 私の想いはこれだけじゃない。
「目を… 閉じてくれる?」
ドキドキがどんどん早くなって、顔が熱くなる。
秀斗は不思議そうにしながらも、目を閉じてくれた。
私は秀斗に近づくと、その唇にそっとキスをした。
唇をはなすと同時に、ありったけの勇気をこめて
私はこう言った。
「秀斗、大好きだよ」
