パンプスとシューズ



あれからずっと手を引いてくれている先輩

きゅんとしてるけど
どこにいくんだろうってことばかり
気になる。


「先輩?」

「ん?」

「どこ行くんですか?」

「俺の知り合いんとこ。
そいつちょっと不良だし
ケンカとか良くすっから骨折れてるとか
ねんざとかすぐわかるから。」

ケンカとか良くするって…
それ『ちょっと不良』じゃないでしょ。

なんて考えていると先輩が

「あ、大丈夫。ふつーにいいやつだし。」

不良にいいやつなんているんだろうか…

なんて考えていたら先輩が立ち止まった

「着いたよ。」

すると先輩はインターホンも押さずに
玄関のドアを開けて中に入る

「ほら、入りな。」

わざわざドアを開けていてくれる先輩

そんなさりげない優しさにまたきゅんとする。

「おじゃまします」

「りゅーやー!はいんぞー」

りゅーや?

ここの家の人かな?

先輩はためらいもせずに靴を脱ぎ
部屋に上がる

それにしてもこの家広いな…

ここの地域は綺麗でおしゃれで値段の高い家が集まっている。

この家もかなり大きい。

「ほら、遠慮しないで、入りな。」

ぼーっとしていると先輩に呼ばれる

靴を脱ぎ家に上がる

「おじゃまします」

「乗って」

先輩は背中を向けしゃがむ

おんぶしてくれるつもりだろう。

「いえ、大丈夫です!
私、重たいのに階段だなんて…」

「いいから。」

「大丈夫です」

「いいって」

「ダメです。先輩体痛めちゃいます!」

「はははっそれくらい大丈夫だっつーの。
まぁいーや。とりあえずおいで」

「はい」

階段を上がって2階に上がる

うわ、部屋いっぱい…

どうやら6部屋あるみたい。

そのうちの1つの部屋に先輩が入ったから
私も入った

「おじゃまします」

「おう、隆誠。彼女か?ケガ?」

部屋にいた茶色の髪の人が私と先輩を見ながら言った。

「か、彼女だなんて!とんでもないです」

「こいつは後輩。星歌。
足みてやってくんね?ねんざかなんかだと思うけど、病院行きたがらねーから」

「おっけ。じゃ、星歌ちゃんその椅子座って」

言われた通り椅子に座る

「隆誠、救急箱とってきて。」

「あぁ。」

先輩は部屋の外に行った