「走れますよ?」
「ねんざか疲労骨折した足で?」
「え…?」
先輩はまたため息をついた。
「やっぱり気付いてなかったか…
右足、痛まないの?」
「ちょっと前は痛かったんですけど、
慣れちゃいました。あはは…」
これは本当。
「あははじゃねーだろ!病院行けよ!」
先輩、怒ってる…
病院は行かないけど、これ以上先輩を怒らせたくない。
「すいません、今週は部活休んで、
練習もしません。安静にします…」
「病院は?」
「……」
「行きたくねぇの?」
黙って頷いた。
だって病院に行けば、
部活休めって言われる。
骨折なら大会に出れないかもしれない。
せっかくのチャンスなのに…

