「それが出来ないから言ってんでしょッ?!後、私の部屋から紺色のコートも持ってきてよッ!はやくッ!!!」
「チッ」
舌打ちしたレイはすぐに踵を返し、パタパタと飛んでいった。
それを見送りながら進む足に不安になっていると、傍に気配を感じ横を向く。
真剣な眼差しのセリュと視線が交わった。
「選択肢を教えて頂けますか?」
「えっと、『外に出る』と『テレビを見る』」
「分かりました。チカさんは『外に出る』を選んだんですね?」
「うん」
「それではボクはこの家でテレビを見ていますから、チカさんは気兼ねなく外で頑張って来て下さい」
立ち止まったセリュはその後、両手をふりふりしながら『お気をつけて~』と笑顔で言った。
そして私に背を向けた後、パタパタとさも自分は急いでますとでも言いたげな感じで飛んで行く。
セリュはこれから、ゆっくりテレビを見るんだね…?
背中からウキウキ気分が、にじみ出ていますよ---
目を細めセリュを見送りながら、玄関に到着した私は靴を履く。



