「だから可愛いんだも『俺は可愛くねぇッ!』はいはい、ごめんなさい」



ははっ…、


と笑いながら謝っていると、私の横でムクッと動いた気配がした。




視線をそちらへ向けると、天使のセリュが目をコシコシと擦っている。


何度か目を擦ったセリュはその後、瞳をうっすらと開けながら私とレイを交互に見た。





「うるさいです」


昨日とは打って変わった冷たい声色で、私とレイに言い放つ。



一瞬、セリュが悪魔に見えた気がした。





「「ごめんなさい」」


私とレイの声がハモル。



どうやらセリュは、寝起きが悪いようだ---



今後、気をつけなければ…。





「んーッ、よく寝たぜ」


「それは良かったね」



レイにそう返事を返しながらその場で、パジャマ変わりにしてる厚ぼったい紺色のトレーナーをガバッと脱いだ。


無論、着替えるため。





「う~、さむっ」


今日も冷えるなぁ…。