「相変わらずですね、チカさん」
「ごめん、セリュ。元気だった?」
「はい。…レイさん。一緒にチカさんのところに行って驚かそうって言ったのに、勝手に先に行かないで下さいよ」
「………」
そんなセリュの言葉など聞く耳持たない…とでも言うかのように、レイは明後日の方向を見ながら尖った耳に指を突っ込む。
何て態度だッ!
と憤慨したセリュ。
しかしすぐに諦めたのかもういいです…と項垂れ、そして私に向き直る。
「レイさんから今日、チカさんを魔界に連れて行くと聞いたのでお別れのご挨拶に参りました」
「え?お別れって…、向こうで会えないの?」
「残念ながら天使は魔界には行けませんので、チカさんとはこれっきりもう会う事はないと思います」
そう言ってセリュは私の手を取り、甲へキスを落とした---
その表情はとても寂しそうに、切なげに微笑む。



