「…さ、レイよ。テレスの身体を休めてあげねばならぬから、私はもう城へ戻るぞ」
「………」
「お前がこれからどうするかは知らぬが、私は何も口出しはしない。…チカさんと話し終わったら、城に戻って来るがよい」
「チカさん…。いつでも城へ遊びにいらっしゃい。あなたなら大歓迎よ」
「ありがとうございます。…是非また」
人間の私に…、涙を零しながら優しく声をかけてくれるテレスさんに嬉しくなって一瞬言葉に詰まった。
それでも何とかテレスさんに言うと、それに満足したように私に笑みを向けてくれた。
ほんと…、
テレスさんは優しいな---
レイを見ると、先程からずっと母親ばかり見ている。
「オヤジ…、城に戻ったら話しがある」
「…分かった」
そう答えた魔王様は一度、テレスさんに視線を向け、それからスッと音もなく抱きかかえていたテレスさんと共に消えてしまった。



