「お前の母親であるテレスは、お前を産んですぐにシトリーに連れ去られた。王族は誰にも手を出されないよう魔法をかけられているがしかし、子を産んですぐはその魔法は効力をなくすというのをシトリーは知っていたようだ。そこを狙ってテレスは捕まり、今までずっと捕らわれの身だったのだ」
「………」
「全ては王座を狙った…、と言うよりテレスを狙っての事だったようだが。…だから自分の母を恨むな。今まで一番辛かったのはテレスだったんだからな」
「………あぁ、分かった。…それで俺の運命の人を見えないようにしていたのは、どうしてだ?意図があったんだろ?」
「それは…、お前を人間の者と結婚させたくないと思ったからだ」
「それが今になってどうして?」
「…チカさんがもしかしたら、テレスを探す鍵になってくれるやも知れぬと思ってな」
「それって勝手じゃねぇ?」
魔王様の胸倉をグッと掴み強い眼差しを向けるも、受け止めている当の本人はそれをどこか飄々としている。
それをジッと見ながら、私は魔王様の言っていた言葉を頭の中で復唱した。
魔族であるレイと人間の私とは結婚させたくないと、魔王様は言っていた。
もしかするとレイとミリィを婚約させたのは、魔族同士を結婚させてしまえば人間である私との関わりもなくなると考えたからなのかな?



