「たかが人間ごときに何故…?とお思いだろうが」
いや、別に人間ごとき…とまでは思ってはおりませんがね---
魔王様の気遣いのない言葉にイラッとしたけど、そこは黙っておく。
何たって魔王様…、
怒らせたら私なんて、すぐに殺されてしまうだろうし。
「このような事がなければ、一生言うつもりはなかったのだが…」
はぁー…、
と大きくため息をついた魔王様は諦めたように、レイの目の前まで歩いて行く。
そして片手でテレスさんを抱き上げ、もう片方の腕を上に上げた。
パチンッ---
…と指を鳴らす。
シーン---
辺りを見回してみたけれど、特に何も変化は見当たらない。
何も起こらなかったようだ…。
え?
今のは何の魔法ですか?
もう一度キョロキョロと辺りを見回していると、魔王様が突然レイの肩を思いっきり叩いたのが視界に入った。
ハッと驚きに目を見開いたレイは目の前にいる自分の父である魔王様に気付くと、キッと睨み付ける。



