「…本当はこんな事などしたくはなかった。…しかしここに連れてきてからずっと、テレス様は魔王様の名を呼ぶのみで私の事など目もくれない。………テレス様を好きすぎた私にはそれが憎々しくて堪らなくなり、私に助けを請うまではずっと拘束しておこうと思いました」
「…お前には、赤い運命の者同士を見分ける力はあるな?」
「………はい」
「テレスの赤い運命の者は見えるか?」
魔王様の言葉に顔を上げ、悔しげに目を細めた。
そして…、
「魔王様です---」
低く呟くように、そう言った。
………赤い運命の人が誰なのか、見えるものなんだ。
二人の会話により俄然、赤い運命の人に興味を持ってしまった私はじゃぁ私の赤い運命の人は誰なのかな?
そう思ったところで、あぁそうだった---
…と嫌な事を思い出し、ガックリと肩を下げた。
私には赤い運命の人なんて、いないんだっけ---



