「もう、私達もいい加減待つのに疲れましてね。…だから貴女様の息子が気に入っているこの娘を殺すか人質にでも取れば、あの王子が魔王を何とかしてくれると踏んだのです。まぁ、ダメならダメでまた貴女を使いますがね」
「私の息子がこの子を気に入っている?」
魔族の知り合いは、私には一人しかいない。
それは、レイだ---
じゃぁ、やっぱりレイはテレスさんの子供なの?
あれ?
…って事はレイは生まれてからずっと母親のいない日々を過ごしてきたという事になるんだ---
私と同じで母親がいない…。
ううん、違う。
私は小学校に上がるまでの、お母さんとの思い出がある。
でも…、
レイは生まれてから今までずっと、母親と一緒に過ごした記憶なんて全くないんだ…よね。
もしかしてマラソン大会のあの日、アイスを食べている親子をジッと見ていたのはその親子が羨ましかったから…だったのかな?



