「………ッ」
「大丈夫よ。…私が守ってあげるから」
いつの間に、私の傍まで来ていたのだろう?
手足を縛られている状態で私の傍まで来るには、結構大変だったはず。
やせ細ったこの人に体力なんてあるわけないのに、それでも震える私の傍まで必死に這ってまで来てくれたのだろう---
魔界に住む人達ってすごく怖そうなイメージなのに、レイといいこの女生徒いい…、人間と変わらない心を持っている事にジンワリと胸が温かくなってくる。
「ありがとうございます…、えーっと?」
「テレスよ」
「すみませんテレスさん。私の名前は、千佳です」
すぐに私が聞こうとしていた質問に答えてくれたテレスさんに、私も自分の名前を告げた。
そして二人で微笑み合っていた時、
ガチャン---
鉄のぶつかるような音が聞こえてきて、心臓がビクッと震え上がった。
ソロリ…と、扉へ視線を向けると---



