「ミリィを魔界に帰せ」
「かしこまりました」
胸に手を当て身体を傾けながら礼をしたその男は、レイに向けていた身体をスッと動かしミリィへと向ける。
その時…、
ミリィを見る前に一瞬私にフッと微笑みを向けられたのは…………、気のせいではなかったよね?
シトリーと呼ばれたその男と視線が合った瞬間、ゾクリと背筋に何かが駆け巡ったのを感じた。
でもそれは本当に一瞬で…、
だからきっと、私の気のせいだったのかもしれない。
この男の血の色をした瞳に、不気味に感じた私の目の錯覚だったように思う。
いつの間にかミリィへと伸ばされた、シトリーの手。
それにミリィは顔を背け、絶対にその手を取らないとでも言うように腕を組みながらフイッと横を向く。



