「チカ」


「……ん?」


「さっきは…俺、何したかわかんねぇけど………ゴメン」




口を尖らせながら謝るレイ。



レイは何で私が怒ったのか、絶対に分かってはいない。


それでも謝ってくれるレイに、首を振った。




ちがう…、


謝らなくちゃいけないのは私の方だ。



レイはさっきどんな選択肢が出たのかとか、叩かれたせいで選ぼうとしたのとは違うものを選んでしまったとか……、全然知らないんだもんね。



それなのに謝ってくれるなんて…。





「ううん。…こっちこそ怒ってごめんね」


まさか逆に謝られるとは思っていなかったのだろう---


驚いた顔で私を見てきたレイは、すぐに表情を戻した。




そして…、




「お疲れさん」



腕を組みながらテレくさそうな顔をするレイが可愛くて、思わず笑ってしまった。



そんな私を睨みつけてきたレイに私は素直な気持ちをはき出そうと、微笑みながら口を開く。




「ありがとう」


「………フンッ」


「クスクス…」



レイを見ていると、なんだか胸が温かくなってくる。



これからもずっとこのままレイとセリュと三人で、一緒にいる事が出来たらいいな。




でも…、どんなに私がそう願おうとしても、ゲームが終わったら二人は私の前からいなくなるんだ---