彼とほんとの私

智史のマンションの部屋へ帰ってきたら、智史はソファーに座っていた。今日は、上下濃いグレーのスエット姿で、くつろいだ雰囲気だ。


「これ、おみやげのカップケーキ。お世話になってるから」


「ありがとう。一緒に食べよう」


「じゃあ、着替えてくるわ」


カップケーキを手渡して、部屋へ行こうと横を向いたら、智史が右手を引いた。


私は、智史と抱き合う格好になり、驚く。智史の香りに包まれ、心拍数が上がる。


智史は、私を抱きとめ、

「愛実を1人にさせたくないんだ。俺を心配させないでくれ」


切なそうにそうつぶやくと、私を抱く腕に力を込めた。


「えっ…なんでそう思うの?」


「初めて、愛実を見たときから、愛実の寂しそうな顔が忘れられない。こんなこと初めてなんだ…」


そう言うと、智史は抱く力を弱め、私の両肩をつかみ見つめる。


「愛実は、俺にとって特別なんだ。守っていきたい。そう思うんだ」


「特別って…」