彼とほんとの私

次の日の朝、1人で朝食をとっていても、味気ない。


『部屋に鍵がかかっているにしても、よく知らない人を家でひとりにさせるなんて、考えられない。きっと、デートに夢中で私のことなんて忘れているのね』


それから一週間、同じような日々が続いた。智史は帰って来ても、午前0時を回ってから、朝は出勤が遅いため、私とはすれ違い。


『同居生活なんてこんなものよね。最初から分かっていたはず』


そう思いながらも、どこか期待していた自分がいた。






週末、約束した時間に不動産屋に行き、物件を見に行こうとしていた。


智史は昨晩も遅く帰ってきたみたいで、朝、家を出るとき、まだ寝ているみたいだった。


一応、『新しい部屋を見に行くって』メモを残して行ったから、もう気づいてる頃だろう。


不動産屋からいくつかの物件を紹介された。その中の1つの部屋が、最寄り駅から遠いが、ベージュを基調とした落ち着いた雰囲気の1LDKだった。築20年のマンションだが、日当たりも良く使い勝手も良さそうだ。


ここ、いいな。でも、もう少し考えてみよう。