次の日の朝、私はいつものように時間を見ようと左を向いたら、そこには智史の寝顔があった。


そう、夕べは倒れて智史の部屋に泊まらせてもらったんだわ。


久しぶりに安心して眠れた。何日ぶりだろう。頭が痛いのは治っている。


智史を見ると、ぐっすり眠っている。


智史を起こさないように起き上がると、しわしわのスーツに気付く。


さて、どうやって帰ろう、と思いながら目を上げると、サイドテーブルに置いてある紙が目に入った。


それは、誓約書だった。智史のサインがしてある。昨日、作ってくれたのかな。


その時、後ろから抱きしめられた。首筋に、吐息がかかる。


「愛実、おはよう」


びっくりして振り向くと、智史は、唇を重ねてきた。私は、目を見開いて智史を見た。智史は、目をつむって、上唇をついばむ。そして、ゆっくり目を開き、私に言った。


「俺の家に住まない?」