忘れろってどういうことだよ…
ケンは苛々しながら学校へ向かっていた
先日、ホシに言われた言葉を思い出しては苛々としている
それにその日からホシがあまりケンに付きまとわなくなった
恐らく呼べば出てくる
だが何かよそよそしい
それがまたさらにケンを苛つかせていた
今更無理なんだよ
「ああ…くそ…!」
ケンは道端に落ちている石を蹴飛ばした
石はころころと転がり何もないところで止まった
願い事をした奴は皆ホシの事を忘れてしまうのか?
どうしてもそれだけは確かめたかった
ケンが大学の敷地内に入ると前方に鈴宮剛がいた
「おい!鈴宮!」
ケンが呼ぶと剛は振り返り、ケンの姿を認めると笑顔になった
「おうケン!」
片手を挙げケンに挨拶をした
「何だー?何か悩みごとか?
すげェ顔が怖いぞ」
「ああ…まァな…。お前に1つ聞きたい事がある」
「おれに?何だ?」
「ホシって女覚えてるか」
「覚えてるけど…?それがどうした?」
剛は困惑した表情で言い、逆にケンが困惑した
「い、いや何でもねェ。それならいい」
ケンはそう言うと早足でその場から離れた
願い事を叶えてもホシの事を忘れる訳ではないのか
ケンはとりあえずその答えに安堵した
