――コンコンコン。


一颯の部屋のドアをノックする音が聞こえた。


「あ、ウメさんだ」


そんな言葉をボソッとつぶやく一颯。


あたしから目を逸らして、チラッとドアに視線を向ける。


「もう、6時30分か。
早いな」


……って、一颯は名残惜しそうに言ったけど。


「う、ウメさんっ!?」


あたしは、一颯みたいに冷静ではいられない。