見上げれば


駅に着くと先輩は当たり前のように
私の右手をとる


このまま、ズルズルとその場の感情だけでいられたら、
楽なのだろうか。

そんな人、たくさんいる。



でも私は逆を選ぶ。

「先輩、離してください」

「なんで?」


……自分に決着をつけるんだ

「惰性は性に合いません」

「やだね」


…やだって

「お願いします。離してください」

ズキズキするのは頭だけじゃない



すると、足が止まった