見上げれば


1人で店内をウロウロとしていると雑誌コーナーに着いた。

いろんな種類があるんだなあ…


ある一冊に目が止まった。
可愛らしい女の子がポーズを決めている


“あなたはどう見られてる?
タイプ別気になるカレの接近術”

目に飛び込んできた見出し


なにこれ!これこそ恋愛指南書では!?


思わず手に取りページをめくる。

……

“名前を呼んで距離を縮めよう”

“受け身ばかりは飽きられる?”

“絵文字でハートを掴むには”


……………す、すごい。

しかも体験談まである。雑誌も侮れないな。




「栞」

「!!」

急いでページを閉じた。

「お、お帰りなさい。用事は済みましたか?」

「?あとはレジに行くだけだけど」

「そうですか。じゃ行きましょ」


何となく見られたくない…
先輩をはやく遠ざけないと。


レジでは数人が並んでいた。

「雑誌買うのか?」

「まあ、はい。
それより先輩は?ありました?」

と、先輩の手元を見ると…

「は?!なにそれ!?」

辞書や図鑑並みの厚さの本がなんと3冊。


「ちょっと調べものがあってね」

…だからって。
買わずに借りればいいのでは


いくらするんだろう。高そうだなあ




「あー…長期になりそうだからさ
買った方がいいかなと思ってさ」


「?」

よくわかんないなあ。なんて思いながら
前をみたらレジ前に新刊が並んでいた。



「あ」

東本咲希の本だ。私が図書室で予約したやつだ。
ちょっとだけ見ちゃおうかな…



手を伸ばそうとしたら

「ダメだ。まだ早い」

先輩が私の手を止めた。

「へ?」

「まだ見るな」



え?なんで?

「あの、ちょっとだけ…」

「ダメ」

「帯の部分だけでも…」

「ダメ」

~~~なんで?



「いいから、行くぞ」

先輩は私を半ば無理矢理その場から
引き剥がして ビルの外に出てきてしまった。