「───!───な!」


懐かしい声と涼しい風が聞こえる。
これは夢なのか、ワタシは重たい瞼をうっすら開けた。


「真奈!!!」


見えたのは顔を真っ赤にしたキミ。
目もちょっと腫れている。


『ゆ……うき』


ゆっくり腕を伸ばすとキミの手がぐっと掴んだ。体温が直に伝わる。
キミは言った。


「何で……黙ってたんだよ……言ってくれてたら、俺……俺……。」


大きな粒が頬に当たる。


『ごめんね』


キミに告げた。
そして


『私も……裕輝が………好き、だよ。』


精一杯の笑顔で、やっと言えた。
ワタシの目からポロポロと流れる。
キミはニコッとワタシの好きな笑顔を見せてくれた。ホッとしたのか瞼が下がる。
ものすごく眠たい……


「……………真奈!!!」


最後に聞いたのはキミがワタシを呼ぶ声。
でもいつものように返事が出来なかった─