「えっ?…あ、あぁ……。」


話の当事者は驚きながら答えた。
キミはさらに聞いた。


「その幽霊、どんな姿してるんだ?」

「噂だから確信はないけど、死んだ女子高生はずっと屋上から空を見てたらしい。確か、死ぬ前に『空になりたい』とか何とかー」

「!!!!」


キミは生徒の話を最後まで聞かず廊下を駆けた。


『ゆ……うき!』


ワタシは必死に声を張り左手を伸ばした。
触れたのはズボンの裾。でも、キミにはワタシが視えていなかった。
視界がぼやけてくる。
ワタシは……まだ………キミに……─