そこにあったのは、悲しそうな彼の顔。
ねぇ、どうしてそんな顔してるの?
「詩花は、最後まで何も言ってくれないんだな。今までありがとう。俺なんかと付き合ってくれて。4カ月間、ごめんな」
そう言って、公園をあとにする。
透悟くんの後ろ姿を見つめながら、呆然とする。
私は透悟くんに何を言わせているの?
私がちゃんと、思ったことを伝えなかったから。
私がいつも言葉を飲み込んでいたから。
透悟くんはそれに気付いてた。
そしてそれが、自分と無理やり付き合っているせいだと勘違いしている。
全部、私のせいなのに。
透悟くんに謝らせて。
私は馬鹿だ。馬鹿すぎる。
自分から透悟くんの手を離して本当にいいの?
今ならまだ、間に合うだろうか?
「透悟くん!!」
もう遅くてもいい。今更だけど、ちゃんと私の気持ちを知ってもらいたい。

