さよなら、その先へ



「透悟くん、私透悟くんのことが、好き。大好き。告白される前からね、ずっと好きだったの。ずっと見てた。そんな透悟くんと付き合えることが嬉しくて。でもすごく緊張して。私もとから自分の思ってることうまく伝えられなくて」


いつもが嘘みたいに言葉がするすると出てくる。


私が私じゃないみたい。



「だから、話したいことはいっぱいあるのに、なかなか言葉にできなくて。透悟くんの話聞くしかできなかったけど、隣で聞いてるだけで、すごく幸せだった。透悟くんのいろんな表情を見れてすごくドキドキした。私、透悟くんが好き...。好きだよ。わ、別れたく、ないよ...」



最後の方は涙が出てきて、声がうまく出てこなかった。


でも今までの透悟くんへの想いを、伝えられた。



ほんとに必死でなにも考えずに、ほとんど無意識で話してた。



いつもこれくらい話せたらいいのに、なんて自分に対して苦笑していると、



「詩花...」



一瞬何が起こったか分からない。



気付いたときには透悟くんの胸の中に包まれていた。